
今回は、エンジニアのワンコさんに「当時困っていたこと」や「今みんなに伝えたいこと」を聞いてきました!
【背景】勉強が苦手だった子ども時代

ワンコさんは小学生のとき、どのようなお子さんでしたか?

そうですね。好きなことへの好奇心はあるのに、勉強はまったくしない子どもでした。

今思えば、少し偏りがあったのかもしれません。

テレビで見たことはすべて覚えていましたが、勉強には少しも興味を持てませんでした。

宿題も出さず、忘れ物も多かったです。

小学4年生のときに、1年間で宿題を提出できたのはたった1回でした。

けれど、自分が面白いと思ったことには、とことん熱中していました。

その後は、どのように過ごされていましたか?

その後も勉強は苦手なままでしたが、中学受験をすることになりました。

両親が受験させたかったというのが、大きな理由だったと思います。

当時は、形だけ受験させられているような感覚でした。

最初は一生懸命に取り組もうとしたものの、やはり興味が持てず続きませんでした。

進学後も勉強は好きになれず、次第に学校そのものが嫌になってしまいました。

それは大変でしたね。

はい。振り返ると、なんとなくやらされているうちに、テストで点数が取れることがあり、自分でも驚く瞬間がありました。

そのことが、かえって中途半端な状態を生んでいたのだと感じています。

成績は「すごくできる」わけでも「まったくできない」でもありませんでした。

だからこそ、「この子はやればできるかも」と周囲から期待され続けたのだと思います。
【困りごと】続けられない自分と失われていった自信

ワンコさんは、当時のご自身のことをどのように感じていますか?

努力しようとしても、きちんとした「目標」と自分の「好きなこと」が重ならないと、1つのことに集中できなかったと感じています。

特に興味がどんどん分散してしまい、「これやりたい!」と思ったことを継続するのは、私にとって難しいことでした。

最初は本気で頑張るのですが、徐々に気持ちが追いつかず、結局はやめてしまうんです。

そんな自分自身と葛藤する中、「できない」「続かない」ことが繰り返され、次第に自分自身を信じられなくなっていきました。

自尊心がどんどん削られていった感覚です。

集中力や意欲が出ず、何も手につかない時期もありました。

根底には、好きではないことを強いられる環境があり、私はそこからずっと逃げ続けていたのだと思います。

「好きではないことを強いられる環境」とは、具体的にどのような環境だったのでしょうか?

たとえば私の場合、中学受験を経て、勉強しなければいけない環境に身を置くことになりました。

けれど本心では、その道に進みたいとはまったく思っていませんでした。

音楽もその1つです。ギターを弾くのが好きでしたが、家族に反対され、「続けたい」という自分の気持ちに蓋をしてしまいました。

結局、本心に従うことから逃げてしまったんです。

当時、両親や周囲の期待もあり、「期待されている道」を選ぶしかない雰囲気の中にいました。

本当は「自分の人生は自分で決めたい」と思っていても、自分自身で別の選択をする勇気はなかったんです。

今思えば、あのとき自分の人生に向き合う力がもっとあったら良かったのになと思います。
【合理的配慮】

当時のワンコさんに声をかけるなら、何と伝えたいですか?

いろんな大人が「こうしたほうがいい」と言ってくるけれど、「自分が納得できない選択なら、無理に従う必要はない」と伝えたいですね。

同時に、学生時代の1〜2年がどれほど貴重な時間だったか、その大切さも感じています。

当時、学校や勉強にすべての時間を取られてしまったのは、今思えば本当にもったいなかったなと思います。

「自分が何をしたいか?」を調べ、考え、真剣に向き合う時間こそが、将来の幸せにつながるはずです。

必要最低限の勉強はしつつ、「自分で考える時間」をつくって欲しいですね。

勉強が得意でなくても、何をしたいかわからなくても、ほんの少し余白を与えてもらえたら、きっと立ち直れると信じています。
- 同じ境遇の人へ
努力しても続かない自分に落ち込むことがあっても、それであなたの価値がなくなることはありません。焦らずに、自分の気持ちに素直になって、あなたなりの歩み方を見つけていきましょう。 - 身近な人(家族・親友・恋人)へ
誰かが立ち止まっているように見えても、心の中では必死に葛藤しているかもしれません。急かすのではなく、まずはその人の歩幅に寄り添ってみましょう。 - 周囲の人へ
ときに導くことも必要ですが、本人の気持ちを尊重することは何よりも大切なことです。選択を押しつけるのではなく、余白や自由を残すことで、誰もが自分の人生に向き合える環境を共につくっていきましょう。