
今回は、プロジェクトマネージャーのタイガさんに「当時困っていたこと」や「今みんなに伝えたいこと」を聞いてきました!
【背景】学び続けた日々と立ち止まった就職活動

タイガさんは学生時代、どのようなことに取り組んでいましたか?

大学・大学院では、勉強と研究、そして、塾講師のアルバイトに没頭していました。

専攻は物理でしたが、学ぶこと自体が好きでした。

単位にはならなくても、面白そうな授業があれば教授にお願いし、他の学科の講義にも参加していました。

就職活動では、どのようなことが大変でしたか?

大変だったことは、自己分析ですね。

自己分析をしても、なかなか自分のいいところを見つけられず、何度も同じところに戻っていました。

自分自身の強みをなかなか見出せず、辛かったです。

基本的には、誰かに相談するというよりも、すべて自分で何とかしようとしていました。

自分の中で試しては修正し、何とか前に進もうと、もがく日々が続いていました。

幸いにも、希望していた会社から内定をもらえたことで、当時の葛藤は少しずつ薄れていったように思います。

就活が終わったとき、肩の力がようやく抜けて安堵したのを、今でも覚えています。
【困りごと】「評価」と「比較」に押しつぶされそうだった新卒時代

入社後は、どのような点で苦労されましたか?

会社では、昇格や評価の基準がはっきりと決まっていて、明確な指標で比較されるという環境でした。

制度としては公平だと思う一方で、実際にはとても負担に感じていました。

具体的に、どのような点が負担でしたか?

評価が運にも左右されてしまうところですね。

どのような上司につくか、どのようなプロジェクトに入れるかで、自分自身の価値が大きく変わってしまいます。

評価の基準は明確でしたが、自分ではコントロールできない要素も多いため、もどかしさを感じていました。

緊張感のある場面も多かったのではないでしょうか?

そうですね。評価される立場にいることで、常に緊張していたように思います。

「うまくやらないといけない」と感じていましたし、キャリアに傷がつくかもしれないという不安もあって、
気が抜けなかったです。

当時、タイガさんご自身は、どのような気持ちで働かれていましたか?

「頑張らないといけない」という気持ちが強かったです。

周りには優秀な人も多く、どうしても自分と比べてしまうんですよね。

周囲との比較が避けられない状況だったので、当時は「もう、やるしかない」と思っていました。
【合理的配慮】

比較や評価に悩んだ時期を経て、現在はどのようなお仕事に取り組まれていますか?

現在は、プロジェクト全体の進行を見渡しながら、マネージャーとしてチームをリードしています。

前職では、自分の下にメンバーがいるような立場ではなかったため、転職して初めて「マネージャー」という役割を経験しました。

責任は重くなりましたが、その分、学びが多くなりました。

前職と比べて、仕事への向き合い方に違いはありますか?

はい。
今は「やらされている」という感覚ではなく、「やりたいからやっている」という気持ちのほうが大きいです。

自分の頑張りが、きちんと自分自身に返ってくる実感があります。

マネージャーとしての難しさを感じる場面もありますか?

正直、自分で対応したほうが早いと感じる場面や、期待した成果を出しやすい場面もあります。

しかし、リーダーとしてメンバーを育てるためにも、自分ひとりでやり続けてはいけませんよね。

伝え方次第で、仕事の進み方やチームの動きが大きく変わることを痛感しました。

働きやすい環境をつくることはもちろん、メンバー1人1人の感情や想いにもきちんと目を向けていきたいです。

最後に、タイガさんの未来に向けた想いを教えてください。

これまでの経験を通じて、改めて感じたのは「人には全員価値がある」ということです。

そして、それぞれが違った価値を持っていて、1つの物差しで測れるものではないと思います。

ですが、他人と比べないようにすることは、頭ではわかっていても、なかなか難しいですよね。

自分の価値は、他人との比較で決まるものではありません。

だからこそ「もっと失敗してもいい」という気持ちで、思いきって挑戦するべきだなと思います。
- 同じ境遇の人へ
人と比べて自分を責めることや頑張り続けることに、ふと疲れてしまう日もあるでしょう。
そのようなときは、「自分を信じていい」「自分のペースで歩んでいい」ということを、思い出してみてください。 - 身近な人(家族・親友・恋人)へ
自分を追い込んでしまっていることに、本人ですら気づけないこともあります。
「比べなくていいんだよ」という一言が、気づきや救いにつながることを、心に留めておきましょう。 - 周囲の人へ
人にはそれぞれ異なる価値があります。
安易な比較や評価を手放し、「1つの基準で決めつけない視点」を、自分の中に少しずつ育てていきましょう。