
今回は、システムエンジニアのピョンさんに「困っていること」や「今みんなに伝えたいこと」を聞いてきました!

仕事に関して、悩みや困りごとはありますか?

食事に時間がかかること、障害があり服薬をしていること、このようなお話ができます。
【困りごと】食事編

食事面での困りごとを教えてください。

時間的な余裕がないときはかなりストレスですね。食べながら話すことが苦手なのかもしれません。

「頑張って食べる」姿勢も見せるようにしているので、今では周りの人も、私は食べるのが遅いと理解してくれていると思います。他の人に話を振り、私には話しかけずにいただく時間もあります。

今の職場は、このようなことに対し配慮するマインドがあって、ありがたいと思います。例えば、休んだ時に「じゃあ期限を伸ばしてもいいよ」と言ってもらえるんです。

調子に波があることを強く否定しない一方で、「できる」と言えば自由に任せてもらえます。

意思を尊重してくれるということですね。

心理的安全性(自分の考えや気持ちを安心して伝えられる状態)も関係していると思います。

「できない」と伝えられないのは、環境がそうさせているからです。今の職場は環境がすごく良くて、無理をせずに正直に伝えることができます。

他の人が休んだ分、自分の仕事が増えたとしても、お互い様だと思うし、他の人も同じように考えると思います。

素晴らしいチームですね。

それから、気持ちの切り替えが苦手です。

体験談ですが、業務の合間に上司と話していて、自分が悪いところを深堀りしてしまった結果、ひどい評価を目の当たりにしたことがあります。結局、それを引きずってしまい、仕事に集中できなくなりました。

私の場合、対策として一番効果があるのは、今の気持ちを全部書き出すことでした。

なるほど。様々なライフハックの方法がありますよね。

そうですね。一人一人、経験や状況によって異なると思います。
【困りごと】服薬編

服薬の話を具体的に教えてください。

私が服用している薬の中に、注意力散漫を防ぐ効果があり、効き目が約10時間続くものがあります。

薬を飲むことで仕事がしやすくなるけれど、効果の持続時間の関係で、家を出る前に飲むことができません。出社の途中で飲む必要があるんです。

薬が効く前に準備をして家を出なければならないので、忘れ物には特に注意を払っています。

例えば、私にとって「ノイズキャンセリングイヤホン」「社用携帯」は欠かせないものです。忘れないために、夜はイヤホンの近くで携帯を充電し、朝家を出るときに忘れないよう、玄関のドアに目立つ色の付箋で「イヤホンを持っていく」と書いています。

ノイズキャンセリングイヤホンが必要な理由は、私が聴覚情報処理障害(APD)を持っているためです。雑音が大きい場所ではWeb会議が難しいので、イヤホンがないと本当に困ります。

注意力の観点で薬を飲んでいるのでしょうか?

注意力と、それから眠気抑制のためです。日中でも眠ってしまうことが多いので大変ですね。特に、高校の時は診断もなく、かなり苦労しました。

聴覚情報処理障害(APD)について聞かせてください。どのような状況ですか?

会話に集中することや、複数の声の中から特定の声を聞き取ることが苦手です。

例えば仕事では、同じ部屋にいる人と同じWeb会議に参加するのは避けたいです。雑音の多いフロアでのWeb会議にも注意が必要です。
【合理的配慮】

もしも目の前に同じ悩みを抱えている人がいたら、どのように声をかければ良いでしょうか。

難しいですね。なぜなら、自分を認識して受け入れることができる人は、すぐに原因や特性に納得し、受け入れられるからです。 一方で、障害者というレッテルを貼られることに抵抗を感じ、全く受け入れられない人もいます。その場合、本人自身が自覚していくしかないと私は思っています。

身近にいる人の中には、障害をすぐに理解できる人もいて、私は救われることがあります。でも、本人が自分自身の納得する方法や生き方を見つけることは、他者がどうすることもできないと思います。 そのため、どのような助言を困っている人に与えるべきか、私には思い浮かびません。

要するに、自己理解を深めて、どうやって工夫して生きていくかを考えることが、大切だと思います。

周囲の人ができる配慮はあるでしょうか。

同じ名前の障害を持っていても、悩みには個々の違いがあります。障害に限らず、困りごとは人それぞれです。

一律の悩みは存在せず、相手が何に困っているかを聞き、それに対応することが重要です。

障害を持つ本人も、自分自身が何に困っているのかをきちんと話すことが大切です。他人に察してもらって解決することは絶対に避けるべきです。 自分自身が具体的に何に困っているのかを、明確に相手へ伝える必要があると思います。

逆に言えば、生きづらさを感じにくい理由は、自分が苦手なことや配慮してほしいことを周りの仲間に言えるからなのかもしれませんね。

私も今、楽しく仕事ができているのは、働きやすい環境があるからです。この環境では、「障害者であること」が能力の低さや精神的な問題を意味するわけではありません。

障害者だからという理由で、何かをしなければならないということはないと思います。

自分自身の落ち着き方や対処法がまだ見つかっていない人に向けて、何か伝えたいことはありますか?

まずは自分自身を受け入れることが大切だと思います。自分の特性や困りごとを理解し、それを受け入れることで、自分自身と向き合うことができます。

他の人とのコミュニケーションやサポートも重要です。周囲の人に自分の状況や困りごとを伝え、理解や支援を得ることができると良いですね。

また、情報収集や専門家の相談も有効です。自分自身の特性や困りごとについて学び、適切な対策やサポート方法を見つけることができます。

最後に、焦らずに自分のペースで進んでいくことも大切です。自分自身と向き合いながら、少しずつ取り組んでいくことで、落ち着きや安心感を得ることができるでしょう。
- 同じ境遇の人へ
自分の特性や困りごとを理解し、まずは自分自身を受け入れましょう。何に困っているのかを相手へ伝えることも大切です。 - 身近な人(家族・親友・恋人)へ
障害を理解してもらうことで、救われることもあります。その人の状況や困りごとを理解し、サポートをしてもらえるとありがたいです。 - 周囲の人へ
パターン化された悩みはなく、困りごとは人それぞれ違います。相手を理解しようとする姿勢を大切にしましょう。